引用元:北海道観光復興機構

北海道・東北地方には古くから伝承されている歴史の長い文化がたくさんあります。

豊かな自然を利用したものやその土地特有の文化を既存の文化に取り入れ、発展したものなど様々です。

今回はそんな長い歴史を持つ北海道・東北地方の伝統芸能や伝統工芸品についてご紹介します!

民謡「江差追分」

民謡の「江差追分」は北海道の伝統芸能です。

初めて耳にした方も多いと思います。

そこで以下に発祥や起源、更にどんな伝統芸能なのかについてもまとめました。

発祥・起源

「江差追分」の正確な起源については文献もなく、成立年代も不明です。

その昔信州の浅間山麓あたりの街道を往来する馬子達が歌っていた馬子唄がルーツであると言われています。

この唄が後に江差にわたり、江差の地で労働歌やお座敷唄として多くの人に歌い続けられ愛されているのが民謡「江差追分」です。

渡島半島の日本海沿岸に位置している桧山郡江差町が発祥と言われています。

どんな伝統芸能なの?

この民謡の特徴は、歌詞を伸ばしたり、縮めたりしながら歌うのが特徴です。

また、演歌で有名な「こぶし」や「ゴロ」と呼ばれる装飾的な節回しをするのも大きな特徴です!

民謡「ソーラン節」

民謡の「ソーラン節」は北海道の日本海沿岸の民謡です。

主に小学校や中学校では運動会などのイベントでよく踊った人も多いのではないでしょうか。

発祥・起源

昔からニシンの漁場として日本海沿岸部の積丹半島から余市一旦はニシン漁が栄えていました。

北上するニシンを追って、人や物が動き、金が動いた時代です。

各地の漁場から集った労働者のヤン衆がたくさんのニシンでいっぱいになった網を沖合でくみ上げる際のリズムとりに歌ったのが「ソーラン節」と言われています。

どんな伝統芸能なの?

ニシンの漁の作業歌は実は4部編成で作られています。

実際にニシン漁の作業順に「船漕ぎ音頭」→「網起こし音頭」→「沖揚げ音頭」→「子叩き音頭」の順番です。

私達が良く知っている「ソーラン節」はニシン漁の作業歌の「沖揚げ音頭」に当たるニシンを陸へ運搬するための船にすくいあげる際の掛け声「ヤーレンソーランソーラン」や「どっこいしょ~どっこいしょ」を歌にしたものです!

民謡「盆踊り」

夏祭り定番の「盆踊り」ですがその発祥や起源、どんな伝統芸能なのか皆さんはしっていますか?

名前は有名でもそのルーツを知らない人も多いと思います。

以下にその特徴や発祥・起源についてまとめました。

発祥・起源

8月のお盆の時期になると各地で盆踊りが盛んにおこなわれますが、北海道の盆踊りのほとんどは「子供の部」と「大人の部」の2部構成で行われます。

その独特なルーツは大人の部で多く使われる「北海盆唄」という曲にあります。

もともとは越後から小樽の高島に集団移住した人たちによる「ヤレサ型盆踊唄」がベースとされており、内陸部へと徐々に普及し、炭鉱の労働者たちによって盛んに歌われるようになりました。

どんな伝統芸能なの?

歌い継がれ、徐々にアレンジが加わった「北海盆唄」ですが、その名を一躍有名にしたのは、戦後の演歌歌手・三橋美智也さんの歌唱です。

更にテレビ番組のザ・ドリフターズの「8時だよ!全員集合」のオープニング・テーマとして使用されたことで一躍有名になりました。

民俗芸能「獅子舞」

獅子舞は日本人であれば誰しもが見たことがあったり聞いたことのある日本でも有名な伝統芸能の一つです。

しかし、その発祥や起源などは知らない人が多いと思います。

以下に、北海道の「獅子舞」の発祥や起源、また「獅子舞」とはどんな伝統芸能なのかについてまとめました。

発祥・起源

北海道には日本各地から入植した団体移民が母村の祭りや民俗芸能を持ち込み、そこから北海道内で発展を遂げた伝統芸能が多々あります。

その中でも有名なものが「獅子舞」です。

富山県からの移民は、地域の伝統行事である獅子舞を道内各地に伝え、留萌、上川、空知、石狩のの管内には特に多く伝承されています。

どんな伝統芸能なの?

獅子舞は日本各地で「悪魔を追い払ってくれるもの」として、定着しました。

その縁起の良さから各地域の祭りごとでも頻繁に踊られるようになり、時代の変化と共に縁起物としてお正月に踊られるようになりました。

各地域ではその土地の要素を取り入れた地域独自の文化を獅子舞の要素として取り入れた個性豊かなものが日本の伝統芸能として伝承されています。

伝統工芸品「津軽塗」

青森県の津軽塗は、青森市や弘前市を中心に作られている漆器の事です。

その丈夫さや上品なデザインは多くの人を魅了する日本を代表する伝統工芸品です。

以下に、そんな津軽塗の発祥や起源、特徴についてまとめました。

発祥・起源

津軽塗の起源は江戸時代中期にまでさかのぼります。

当時の弘前藩四代目藩主:津軽信政が現在の福井県から塗師の池田源兵衛を招いたことが津軽塗の始まりと言われています。

どんな伝統工芸品なの?

津軽塗の技法は大きく分けて4つあります。

何度も塗り重ねては研ぐことから、「研ぎ出し変わり塗り」と言われています。

複数の色が浮き上がって見える斑点模様が特徴の「唐塗」、小さな小紋模様が特徴の「ななこ塗」、「ななこ塗」をベースに様々な模様を施した「錦塗」、炭粉と黒漆を使用したモダンなデザインの「紋紗塗」などが有名です。

そのつくりの繊細さや難しさ、更に実用性の良さから多くの人々が愛用する伝統工芸品です!

伝統工芸品「南部鉄器」

南部鉄器は岩手県・盛岡市と奥州市で作られている鉄鋳物です。

主に2種類の南部鉄器があり、「盛岡南部鉄器」と「水沢南部鉄器」の総称が「南部鉄器」です。

以下にそんな岩手県の伝統工芸品の発祥や起源、特徴をまとめました。

発祥・起源

岩手県発祥の南部鉄器ですが起源は盛岡と奥州とでその起源は異なります。

盛岡南部鉄器は17世紀中頃に盛岡藩主が京都から釜師を招き、茶の湯釜を作らせたのが起源とされています。

一方で、水沢南部鉄器は藤原氏が現在の滋賀県から鋳物職人を招いたことが起源とされています。

どんな伝統工芸品なの?

南部鉄器の大きな特徴は丈夫さです。

「孫の代まで使える」と言われるほど長持ちし、近年では様々な色の南部鉄器やモダンなデザインのものも多く、時代と共に進化を遂げています。

日本のみならず、海外からの人気も高く、南部鉄器で沸かしたお湯はまろやかな味わいになると定評がある伝統工芸品です。

伝統工芸品「大館曲げわっぱ」

大館曲げわっぱは秋田県大館市で作られている曲物です。

曲物は檜や杉などの木の板を円形に曲げてサクラの皮で閉じた容器のことを指します。

主にお弁当が有名で、曲げわっぱのお弁当箱は多くの人が一度は見たことがあると思います。

そんな秋田県の伝統工芸品の「大館曲げわっぱ」ですが、どのような発祥や起源、特徴があるのでしょうか。

以下にまとめました。

発祥・起源

秋田県発祥の大館曲げわっぱの起源は江戸時代までさかのぼります。

豊臣側の武将の佐竹義宣は関ケ原の戦いに敗れたことで、水戸から秋田県への移転が命じられました。

当時の秋田県の人々の暮らしはその日食べるものを確保するのも大変なほど人々の貧困が深刻化していました。

そこで、秋田の貧困の打開策として領内にある秋田杉に着目した佐竹西家は下級武士達の副業として曲げわっぱの製作を推奨したことが始まりと言われています。

どんな伝統芸能なの?

杉の良い香りが食欲をそそる大館曲げわっぱですが、軽くて、丈夫、更に杉が余分な水分を吸収してくれるため、ご飯が常に美味しい状態で保管されるというのも大きな特徴です。

近年では本物志向の人が増え、良いものを長く使う人が増加したことで人気も高まりました。

更に、天然の木を使用しているため、小さな子供にも安心して使用できるお弁当箱としても人気が高まっています。

日本の北方の文化に触れよう!

北海道・東北地方の伝統工芸品や伝統芸能についてご紹介しました。

自然が豊かだからこそ作り出すことが出来る伝統工芸品やその土地独自の文化を織り交ぜながら発展した伝統芸能は個性豊かです。

是非、皆さんも北海道や東北地方に訪れた際はその土地独自の伝統的な文化に触れてみてはいかがですか?