引用元:有田焼のすべて
九州地方や沖縄には様々な有名な伝統工芸品があります。
以下に日本が誇る人気の高い伝統工芸品をまとめました。
博多織(福岡県)
博多織は福岡県福岡市博多区を特産とする絹織物です。
鎌倉時代に博多の商人が中国から織物の技術を持ち帰ったことが博多織の起源とされています。
更に、江戸時代には当時博多を統治していた博多織を幕府の献上品として作らせたことからその名が全国に広まったとされています。
博多織のしなやかさと丈夫さから男性の着物の帯としても人気が高く、昔は武士の帯として利用されていました。
現在では、博多織特有の丈夫さと美しい伝統的な柄を活かし、ネクタイや財布などの現代のライフスタイルになじむような商品が販売されています。
有田焼(佐賀県)
有田焼は佐賀県を代表する伝統工芸品です。
その歴史は古く、17世紀初頭に豊臣秀吉によって朝鮮から多くの陶工が日本に訪れました。
その際に、有田焼の原料となる陶石を発見したことがきっかけで磁器の生産が始まりました。
有田の地で窯が増える中、1640年に多彩な色を用いた有田焼が誕生し、これまで単色の物しかなかった時代ではまさに革新的な陶器として有名になりました。
陶石と呼ばれる石から磁器土をつくり、成形後、1300度もの高温で17時間以上焼き上げてつくられるのも大きな特徴です。
更に、磁器を軽く硬質で耐久性にも優れているため、ヨーロッパでは「白い近」と称えられるほど美しい「白」が特徴です。
模様も繊細で一つ一つ嘆声を込めながら描かれているのが目でみて分かります。
現在では、ワイングラスの有田焼があるなど、モダンミックスな有田焼も人気です。
肥前びーどろ(佐賀県)
肥前びーどろは佐賀県を代表する伝統工芸品です。
ジャッパン吹きと呼ばれる技法で作られる滑らかな肌合いが大きな特徴です。
この仕上がりは作業工程の際に空気以外に触れるものがないため生まれます。
色も赤や青などの鮮やかな色が特徴的でシンプルなデザインにも関わらずインパクトのある工芸品です。
形も様々で細長いものからお椀型のものまで幅広いため、自分のお気に入りの品を見つけやすいのも魅力の一つです。
波佐見焼(長崎県)
波佐見焼は長崎県を代表する伝統工芸品です。
原料となる粘土は佐賀県の有田市に隣接していることもあり、有田焼と同じ物が使用されています。
歴史は古く、400年以上の歴史があるといわれており、江戸時代初期から作られているとされています。
それぞれの焼き物には特徴がありますが、「波佐見焼にはこれといった特徴がないのが特徴」です。
技法も波佐見焼特有の技法やデザインがないため、時代の流行を取り入れた自由なデザインとなっています。
別府竹細工(大分県)
別府竹細工は大分県別府市を中心として作られている竹製品です。
奈良時代の「日本書紀」に景行天皇が九州南部からの帰りに立ち寄った別府で台所が良質なシノダケから茶碗籠を作成したことがこの竹細工の起源と言われています。
別府竹細工の特徴は「編組」と呼ばれる技法で、すべての作業が手作業で行われています。
近年では、花籠や飯籠などの昔ながらの日用品の他に、籠バッグやバスケットなどの流行も取り入れた商品も販売されています。
この優れた技術から作られる竹細工は海外にもファンを多く持っていることでも有名です!
小代焼(熊本県)
小代焼は熊本県北部で作られている伝統工芸品です。
その歴史も古く、約400年前から焼き続けられている陶器です。
鉄分を多く含み小石粒が多い小代粘土に藁灰・木灰・長石などを釉薬として用いて作られており、高温の熱で焼成されるのが特徴です。
デザインも素朴で力強い作風に特徴があり、日本の昔ながら焼き物を求めている人には特におすすめの焼き物です。
薩摩焼(鹿児島県)
薩摩焼は鹿児島県を代表する伝統工芸品です。
文禄・慶長の役のころ、当時の藩主である島津氏が連れ帰った李朝の陶工達によって始められたのが起源と言われています。
約400年の長い歴史の中で鹿児島の豊かな自然や風土にはぐくまれながら陶工達の努力によって独自の発展を遂げてきました。
1867年には島津藩が出品したパリ万博において薩摩焼の素朴さや日本らしさのあるデザインからヨーロッパの人々を魅了しました。
自然の豊かな土地で作られた日本の魅力が詰まった焼き物です。
紅型(沖縄県)
紅型は沖縄の代表的な伝統工芸品です。
交易が盛んにおこなわれた15世紀前後に諸外国との取引でもたらされた染織技術が取り入れられ、王族などの位の高い人々の衣装として首里を中心に発展しました。
沖縄の染物で鮮やかな色や大胆な配色、図形のシンプルさが特徴です。
赤、黄、青、緑の4色を基調とした大胆で鮮やかな「紅型」は琉球王国らしい華やかで目を引く織物です。
九州地方の伝統は海外からも人気!
九州地方・沖縄県の伝統工芸品をご紹介しました。
多くのものは海外からも人気が高く、実用性も高いことが大きな特徴です。
更に、時代の変化とともに伝統を残しつつ発展していく工芸品の数々はまさに日本に残したい伝統です!